コンシェルジュのための美術指南 (2)

レ・クレドール・ジャパン協力企業
新・古美術 富士鳥居
代表取締役 栗原直弘

三種類の「在り方」
皆様が工芸品や美術品をご案内する上で、先ず以ってご理解いただきたいのは、日本の美術品や工芸品には三種類の「在り方(ランク)」があるということです。

  1. 消費を目的として量産されたもの
  2. 晴れの席での使用や贈答を目的として、限定品や特注品として制作されたもの
  3. 献上品や展覧会への出品作として採算を考えずに制作してもの

以上の三種類に分かれます。もちろん、この分類は便宜上の分類ですので例外もありますが、根本的には制作の方法や作者に違いがあります。Aは機械生産や印刷による制作が多く、Bは手造りの場合が多いでしょう。そして、もちろんCはすべて手造り、手描きで、それぞれに使用された素材や手間の掛け方が違います。そして何よりも、このA、B、Cの大きな違いは造り手の緊張感、言い換えれば、そこに込められたエネルギーの違いなのです。そして、言うまでも無く、それぞれに評価や価格に違いがあり、またそれぞれに扱う場所や店が違うのです。
  例えば、ホテルの地下や一階のアーケードなどで売られている5枚1組¥2,000.−の伊万里焼の皿のほとんどが転写(印刷)ですし、それが一枚¥3,000.−以上ならば手描きの場合もあるでしょう。さらに、江戸時代から明治中期(明治の中期以降は焼成方法が変る)までに焼かれた伊万里焼は、実用品として生れたもの、晴れの席用の注文品、献上品など、それぞれの制作目的によって、その価値や価格にも大きな違いがあります。
  このように、一口に伊万里焼といっても、その制作方法、使用目的、作者や関係者の思い入れによって、ピンからキリまであるのです。
  もちろん、コンシェルジュの皆さんには、それぞれの個別の価値や価格まで知っていただく必要はないと思いますが、工芸品や美術品にはそれぞれの「格」があることをご理解いただきたいとおもいます。そして、普段からそのような意識と目で、工芸品や美術品をご覧になることで、また違う世界が見えてくると思います。また、伊万里焼に興味の在る方は、弊店にお越しいただければ、商売の邪魔にならない時間をみて、お教えいたしますので気楽にお出かけ下さい。

つづく

投稿日: 2010年1月29日

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