2010年2月アーカイブ

コンシェルジュのための美術指南 (4)

レ・クレドール・ジャパン協力企業
新・古美術 富士鳥居
代表取締役 栗原直弘

  このコラムの (2) でお話しした、美術品や古美術の三種類の「在り方」の違いは、それが同じ形、同じ用途であっても、それらを使用する目的や作家の意識によって、それぞれ違うということなのです。そして、その基となっているのは、日本には「普段着と余所行き」という文化があり、かつては装飾品や調度なども、その使用目的によって格の違いがありました。例えば、同じ硯箱でも、普段使い用の赤や黄色の漆で簡単な絵が描かれた物があれば、特別な来客の時や晴れの席にのみ飾る本金の蒔絵の硯箱があり、さらに献上品や贈答用などの特別な意味合いで、その当時の一流の作家に依頼して作らせた物もあるのです。
  戦前の日本では、普段はお蔵に入っている晴れの席用や献上品が時代を経て市場に出できたものを古美術・骨董と呼んでいました。しかし現在では、かつて消費を目的として造られた普段使いの雑器が古くなった物までもが、「アンティーク」や「生活骨董」などと呼ばれて、骨董市などに出回り、それらはエキゾティシズムも含めて、外国人にも数多く売られてきたのです。
  もちろん、皆様のお仕事柄、お泊りのお客様のニーズであれば、骨董市やボロ市などをご案内することもあるでしょうが、お客様のお尋ねに対して、ただ情報や知識だけでご案内するのと、そこに並べられている物がどのような物かを知ってご案内するのとでは意味が違うでしょう。
  言うまでもなく、すべての人が美術品の本質を理解しているわけでも、高額な古美術を購入できるわけもなく、さまざまなお客様に対応しなければならない皆様のお仕事の大変さは十分に理解しています。しかし、弊店が日本製の手造りにこだわり、真面目な古美術にこだわる理由は、弊店の商品一つひとつが日本の外交官であるという意識からなのです。
  自宅に帰って荷造りを解き、喜んで飾った物がニセモノやいい加減な物であると知れば、その旅自体を台無しにする場合もあるでしょう。これは、もちろん皆様のサービスにも言えることで、皆様のお仕事によって、この日本という美しい国と日本人の思い遣りが、いつまでもお客様の心に残るということは、下手な外交政策などよりも大きなことだと考えているのです。

コンシェルジュのための美術指南 (3)

レ・クレドール・ジャパン協力企業
新・古美術 富士鳥居
代表取締役 栗原直弘

  かつてメルセデス・ベンツのテレビCMに「高い100万円もあれば、安い100万円もあります。」という名コピーがありました。英語にはexpensiveやhigh-priceという表現があるように、それは120万円の価値があるものを100万円で売っているのか、80万円の価値しかないものを100万円で売っているかの違いでしょう。また、そのような商品やサービスの内容に対して、受けて側が100万円の価値を見出せるかどうかということでもあり、さらにその人が100万円という金額にどのような価値観を持っているかによっても大きく違ってくるのです。
  もう何年も前になりますが、あるホテルに大変失礼なコンシェルジュがいました。彼は私のところへ電話をしてきて、「お客様が富士鳥居は高いというので、他の店を紹介してくれ。」というのです。
  弊店の有田焼や九谷焼などの新作の工芸品は、すでに20年以上も前から産地との直接取引によって、デパートなどの希望小売価格より25%から30%程度安い価格で表示・販売しています。また、古美術に関していえば、私の店では、「一級品」ではなく、「特級品」だけ扱っており(笑)、骨董市や一般的な古美術の店にあるような「実用品」が古くなった物ではなく、「晴れの席」に飾るものや、「献上品」「贈答品」として生まれ、普段はお蔵に納まり、ほとんど使われていないコンディションの良い物だけを扱っているのです。
  このことは、海外の同業者が富士鳥居で仕入れをして、世界中からコレクターが集うニューヨークのAsian antique fairなどで、弊店の価格の二倍から三倍で販売していることが証明になるでしょう(笑)。
  前項は、けっして富士鳥居の宣伝ではなく(笑)、コンシェルジュの皆様に是非ご理解いただきたいのは、皆様のお客様が何を基準に、商品の価格や価値をお考えかと言うことなのです。本来、手作りの美術品や工芸品の価値や価格は、同じ時に同じ作家が制作した物でも、それぞれの出来に違いがあり、価値や評価、そして価格が違うものなのです。  

つづく

第57回 国際大会 リスボン(ポルトガル)2010. 1 開催

  第57回国際大会が2010年1月14日から19日まで、ポルトガルのリスボンで開催されました。

 

  • : : : : : 出席者10 : : : : : :

    阿部 佳 (グランドハイアット東京)

     小山 明美 (京都ブライトンホテル)

    竹内 郁代 (ホテルパシフィック ル 台場)

     田中 あかね (ザ・ペニンシュラ東京)

    東出 江津子 (ホテルニューグランド)

    山本 美砂 (ホテルグランビア京都)

     

  • 以下、日本コンシェルジュ協会 会員

     チェイピン アダム (マンダリン オリエンタル東京)

    川村 一司 (フォーシーズンズホテル椿山荘東京)

    西川 和義 (ウェスティンホテル大阪)

    丸山 ひろみ (ザ・リッツカールトン大阪)

    金澤 洋子 (マンダリン オリエンタル 東京)

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    「六本木 炉端や」移転のお知らせ

    レ・クレドールジャパン 協力企業 「六本木炉端や」は、このたび 建物の老朽化に伴い、移転されましたので、お知らせ申しあげます。2010年2月1日より、下記にて営業を開始していますので、新店舗にどうぞお立ち寄りくださいませ。

    ↑地図はクリックすると拡大します。

     


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