コンシェルジュのための美術指南 (3)

レ・クレドール・ジャパン協力企業
新・古美術 富士鳥居
代表取締役 栗原直弘

  かつてメルセデス・ベンツのテレビCMに「高い100万円もあれば、安い100万円もあります。」という名コピーがありました。英語にはexpensiveやhigh-priceという表現があるように、それは120万円の価値があるものを100万円で売っているのか、80万円の価値しかないものを100万円で売っているかの違いでしょう。また、そのような商品やサービスの内容に対して、受けて側が100万円の価値を見出せるかどうかということでもあり、さらにその人が100万円という金額にどのような価値観を持っているかによっても大きく違ってくるのです。
  もう何年も前になりますが、あるホテルに大変失礼なコンシェルジュがいました。彼は私のところへ電話をしてきて、「お客様が富士鳥居は高いというので、他の店を紹介してくれ。」というのです。
  弊店の有田焼や九谷焼などの新作の工芸品は、すでに20年以上も前から産地との直接取引によって、デパートなどの希望小売価格より25%から30%程度安い価格で表示・販売しています。また、古美術に関していえば、私の店では、「一級品」ではなく、「特級品」だけ扱っており(笑)、骨董市や一般的な古美術の店にあるような「実用品」が古くなった物ではなく、「晴れの席」に飾るものや、「献上品」「贈答品」として生まれ、普段はお蔵に納まり、ほとんど使われていないコンディションの良い物だけを扱っているのです。
  このことは、海外の同業者が富士鳥居で仕入れをして、世界中からコレクターが集うニューヨークのAsian antique fairなどで、弊店の価格の二倍から三倍で販売していることが証明になるでしょう(笑)。
  前項は、けっして富士鳥居の宣伝ではなく(笑)、コンシェルジュの皆様に是非ご理解いただきたいのは、皆様のお客様が何を基準に、商品の価格や価値をお考えかと言うことなのです。本来、手作りの美術品や工芸品の価値や価格は、同じ時に同じ作家が制作した物でも、それぞれの出来に違いがあり、価値や評価、そして価格が違うものなのです。  

つづく

投稿日: 2010年2月22日

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